■用語解説 ■シブチャリ(地名、河川名) シベチャリとも。染退。現在の新ひだか町静内のあたり。“鮭の産卵地”という意味があるなど諸説あり。 ■メナシクル(集団) “東の人”という意味。シブチャリから太平洋に沿って東側に住まうアイヌを指す、大きな集団分類。シブチャリより西に住まうアイヌをシュムクル(西の人)と言う。 ■ハエクル(集団) シュムクルのうち、シブチャリの上流域に拠点を置いていたとされる集団。シサム(和人)とのつながりが強かったという。 ■シサム(集団) いわゆる和人のこと。“良き隣人”という意味。本来はアイヌ以外の民を指す大区分の単語。 口頭でなまって「シャモ」と言うことも日常であったが、現在ではシサムの蔑称とされている。 ちなみにシャクシャインの時代では本州人の住まう地を“和人地”と呼んでいたが、本州人を“和人”と呼ぶことはまだなかったらしい。アイヌに対しても“アイヌ”と呼ぶんでなしに、“蝦夷(えぞ)”と呼び、本州人を“シサム”“シャム”“シャモ”などと呼んで区別していた様子。まだ民族呼称のようなものは存在していなかった。 ■乙名(役職) 松前風、首長の呼び方。交易をする際のアイヌ側の代表者でもある。 乙名と呼ばれる首長とそうでない首長が存在するため、乙名は和人との交易頻度が高かったとも考えられる。 ■金堀(職業) 金山の労働者。金丁とも表記される。 1630年頃から北海道で金山が次々と発見され、本州から2万人とも3万人とも言われる労働者が入ってきたといい、シブチャリでは金山が3つほどあり、金堀が多くいたという。 ■鷹待(職業) 鷹を狩り、そのヒナや羽などで商売する職業。 シブチャリ(日高地方)よりも石狩地方のほうに多く居たと言われる。“たかまち”と読む。鷹侍(たかさむらい)の誤字が始まりとも言われるが、不明。 ■償い(手段) アイヌ語でもツグナイという。いわゆる賠償のこと。 “何品”と数を指定しますが、例えば刀なら刃、鍔、鞘、と幾つかの部品に分かれるため、刀ひとつでだいたい5品くらいの償いになります。 ■シャグセン(呼称) マンガ内のシャクシャインの呼び名。 シャクシャインというのはサンクスアイヌ(サンクス+アイヌ、アイヌは敬称にも用いられていた)というのが口頭でなまってシャクシャインとなったと言われ、それが本当ならシャクシャインという呼び方は丁寧な言い方になります。字数が多いのと普段から丁寧に呼ばれるのも変なので、シャグセンとしました。 [解説トップへ] |